長期の車中泊やアウトドア活動を快適に過ごすための鍵、それは「サブバッテリーシステム」。
連日の車中泊生活でメインバッテリーだけでは電力が足りない…そんな経験はありませんか?
今回は、そんな悩みを解決するサブバッテリーシステムの導入方法について詳しくご紹介します。
電気の知識がなくても安心して導入できるよう、なるべく!わかりやすく解説していきますので、ぜひ最後までお読みください!
サブバッテリーシステム配線図(概念図)
今回自作したサブバッテリーシステムの配線図です。
ソーラーパネルと車のオルタネーター(発電機)からの電気を走行充電器兼ソーラーコントローラを介して12V200Aのサブバッテリーへ蓄電するというかたちです。
電気の流れから機器の選定、ケーブルの太さなど、わからないことだれけでした。
まったくの素人ですので調べまくって、この車中泊仕様のサブバッテリーシステムを組みました。
このページを参考にサブバッテリーシステムを構築する場合は、自己責任にてお願いいたします。
なお、このページの内容にて、とりあえずサブバッテリーシステムは、十分稼働しています。
【動画】車中泊サブバッテリー自作/家庭用冷蔵庫92L稼働!2000Wポタ電走行充電実験
車中泊サブバッテリー自作【10分総集編】走行充電器/ソーラーパネル/2000Wサブバッテリー設置
上の動画本編が50分と長いので10分短縮総集編も作りました。
サブバッテリーシステムの導入
使用した機材の概要紹介
2000Wのリン酸鉄リチウムバッテリー、正弦波インバーター、そして100ワットのソーラーパネルを2枚を使用しました。
さらに、走行充電器とチャージコントローラを兼用する「Renogy DCC 走行充電器12V 50A MPPTチャージコントローラー内蔵」を選択しました。
車のバッテリーシステムの基本
車のバッテリーは、車のエンジンスターター、ライトの点灯や音楽の再生、携帯の充電などのために使用されます。
車が走行することで生まれるエネルギーがオルタネーターによって電気に変換され、バッテリーに供給されるため、バッテリーは維持されます。
サブバッテリーの必要性
しかし、連日の車中泊生活では、車のメインバッテリーだけでは容量が不足します。
そのため、サブバッテリーシステムの導入が必要となります。
サブバッテリーの充電方法
サブバッテリーを追加するだけでは、やがてバッテリーが消耗します。
そのため、100ワットのソーラーパネル2枚と車からの走行充電でサブバッテリーを充電するシステムを構築しました。
電気の流れの説明
ソーラーパネルで発電された電気は、チャージコントローラーが管理し、サブバッテリーに充電されます。
また、サブバッテリーが満充電になると、「Renogy DCC 走行充電器12V 50A MPPTチャージコントローラー内蔵」の場合は、メインバッテリーも充電されます。
車からは、走行するときに発電する余った電気をサブバッテリーへ充電します。
サブバッテリーの注意点
サブバッテリーには過充電のリスクがあります。
しかし、「Renogy DCC 走行充電器12V 50A MPPTチャージコントローラー内蔵」を使用することで、ソーラーパネルと走行充電の両方の管理が可能です。
具体的には、メインバッテリーが満充電に近づくと、サブバッテリーに電気が供給されるようになります。
「Renogy DCC 走行充電器12V 50A MPPTチャージコントローラー内蔵」は、車のメインバッテリーとサブバッテリーの両方の充電を効果的に管理する優れた機械です。
車中泊仕様のサブバッテリーシステム自作の作業工程記録
サブバッテリーや走行充電器、インバーターなどの仮置き
サブバッテリーや走行充電器、インバーターなどの仮置きしてみます。
車内に木材で棚などを作成して設置場所を確保しました。
バッテリーや機器類は熱を発しますので、べニア板などで囲むのではなく、木組みで空気の流れができるようにしました。
メインバッテリーからプラス電流引き出し
車のメインバッテリーのプラス端子から22SqのKIVケーブルを接続、間に100A(アンペア)のブレーカーを設置します。
3メートルの22SqKIVケーブルを使用。
メインバッテリーのマイナスは車体へアースされています。
「Renogy DCC 走行充電器」へのマイナスケーブルは設置しないで、「Renogy DCC 走行充電器」側から車体への別なケーブルでマイナスアースを設置しました。
ですから、車のメインバッテリーからは、22SqKIVケーブル一本で引っ張り出しています。ブレーカー
間に100Vのヒューズ設置
3メートルの22SqKIVケーブルのなるべくメインバッテリーに近いところにヒューズを設置します。
何らかの原因で、プラスのケーブルが車体に接触するなど、短絡(ショート)で火花が発したり、火災事故になるのを防ぎます。
短絡(ショート)で大きな電流が流れた時に電流を遮断してくれます。
メインバッテリーから引き出したケーブルの先はテープなどで絶縁しておく必要があります。
作業中に車体に触れると火花が発生して火災の原因になりますので気を付けて作業です。
インバーターの配線
「Renogy DCC 走行充電器」を中心に配線をしますが、狭い空間での作業になりますので、先に各機器へ配線をつなげておきます。
インバーターへの配線です。
インバーターはサブバッテリーの12V電圧を100Vの電圧に昇圧して家庭用電気機器を利用できるようにする機械です。
サブバッテリーに蓄電された電気は、大量にインバーター側に流れるので、太いケーブルが必要になります。
この場合は38Sq(スケア)の一番太いケーブルを選びました。
インバーターが1000Wから2000Wの大容量の場合は、 38Sqのケーブルになります。
写真は、インバーターのプラス側の間に。 200アンペアのヒューズを設置したところです。
38Sqのケーブルは後でサブバッテリーへつなぎます。
Renogy DCC 走行充電器を中心に配線
「Renogy DCC 走行充電器」のマニュアルを見ながらサブバッテリー、インバーターなどとの配線をつなげていきます。
NEG端子(マイナス端子)へのケーブル接続
NEG端子へソーラーパネルからのマイナスケーブル、サブバッテリーへのマイナスケーブルを接続します。
サブバッテリーへ接続/Renogy DCC 走行充電器OUT端子
Renogy DCC 走行充電器OUT端子とサブバッテリーのプラス端子を接続します。
これは「Renogy DCC 走行充電器」に付属していた14SqのKIVケーブルとこれも付属していた60Aのヒューズを設置します。
下の図の青マルの部分です。
ソーラーパネルケーブルの接続/Renogy DCC 走行充電器PV+と接続
ソーラーパネルケーブルのプラスケーブルをRenogy DCC 走行充電器のPV+と接続します。
「Renogy DCC 走行充電器」にソーラーケーブルを接続するための加工済みケーブルが付属しています。
これをPv+端子へつなげるだけです。
図の青マルの部分です。
車のメインバッテリーからのプラスと接続/Renogy DCC 走行充電器ALT+
車のメインバッテリーから引き出しておいたプラスのケーブルとRenogy DCC 走行充電器ALT+端子と接続をします。
電圧センサー設置
「Renogy DCC 走行充電器」付属の電圧センサーをサブバッテリーのプラス、マイナス端子につなげて、「Renogy DCC 走行充電器」のBVSポートにはめ込みます。
電圧センサーの片方の端子は、8mmの丸型端子が付いています。
そのままサブバッテリーのプラスとマイナスにつなげれば済みます。
Renogy DCC 走行充電器の設定
温度センサー
「Renogy DCC 走行充電器」付属の温度センサーは、この場合、サブバッテリーがBMS機能のあるものですので、必要ありません。
BMSとは、バッテリーマネジメントシステム(BMS)の略で、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーなどの電気制御を自動で行うシステムのことです。
温度管理もこのシステムで行っているので、走行充電器側から温度センサーを設置する必要がありません。
ING信号機
「Renogy DCC 走行充電器」にはING信号機が付属されています。
ING信号機は、車の発電機がスマート発電機の場合に必要なものです。
私の車の場合は、違うので必要ありませんでした。
車の発電機がスマート発電機なのかどうかは、車のマニュアルなどで確認してください。
バッテリータイプの設定
「Renogy DCC 走行充電器」がサブバッテリーの種類を認識して電気の流れを調節する機能です。
サブバッテリーのタイプを設定します。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの場合はバッテリータイプを青で設定します。
写真の小さいスイッチを押して設定すます。
マイナスケーブルを車体アースへ接続
Renogy DCC 走行充電器NEG端子(マイナス)、インバーターのマイナスがつながっているサブバッテリーのマイナス端子を車体へつなげてアースとします。
荷台のパネルをはがして車体塗装を少しはがしてねじ止めしました。
荷台のパネルカバーに穴をあけて荷室へ誘導しています。
全部のマイナスケーブルをサブバッテリーのマイナス端子につなげてアースをしました。
沢山の機器のマイナスケーブルをつなげつ場合は、バッテリーの端子では高さが足りなり、丸端子が収まらない場合があります。
その場合は、別途スタット端子台などを確保する必要があります。
ケーブル類は端子にしっかり接続する必要があります。
ボルトが緩んで接続不要で発熱して事故の恐れもあります。
ケーブルやボルト類は定期的に点検が必要です。
購入機器リスト/車中泊サブバッテリーシステム自作
車中泊サブバッテリーシステムを自作する過程で買いそろえた機器などをまとめておきます。
ソーラーパネルからの発電と車のバッテリーからの走行充電と2系統を同時に管理して大容量のサブバッテリーへ充電するシステムを組みました。
もう一台、2000w級のポータブル電源があります。
このポータブル電源への充電と冷蔵庫の常時稼働を目的にしています。
走行充電器、チャージコントローラー(太陽パネル電気のコントロール)関係
Renogy DCC 走行充電器12V 50A MPPTチャージコントローラー内蔵/アイソレータ ブラック
Renogy BT-2 Bluetooth モジュール ROVER シリーズチャージ
走行充電やソーラーパネルからの充電、サブバッテリーへ電気管理情報などをBluetoothでスマホとつなぎ、管理できるものになります。
電気の流れや充電量などをスマホで管理することが可能です。
メインバッテリーからのケーブル
「Renogy DCC 走行充電器12V 50A」の最大入力ワット数が660Wなので、ケーブル径は700Wで14sqですが、説明書に22sqとなっていたので22sqを買います。
KIVケーブルというのが、細い導線が束になっているケーブルで加工しやすいケーブルになります。
メインバッテリーから走行充電器設置の場所まで、2~3メートルくらい必要なのでその分の長さを買いました。
メインバッテリーのマイナスからのケーブルをどうするか悩みました。
マイナスは車ボディーにアースされているはずですから、わざわざ引っ張り出してまたアースする必要なしと思って買いませんでした。
車のバッテリーと電線の太さ選び方
車のバッテリーは、通常12V、トラックなど大型車は24Vの電圧を持っています。
この電圧を基に、バッテリーから取り出される電流の大きさや、接続される機器の消費電力に応じて、適切な電線の太さを選定する必要があります。
電流の大きさと電線の太さ
車のバッテリーから取り出される電流の大きさは、接続される機器や装置の消費電力によって変わります。
例えば、100Wの電気機器を12Vのバッテリーに接続する場合、必要な電流は約8.33A(100W ÷ 12V)となります。
この電流の大きさに応じて、適切な太さの電線を選定する必要があります。
電線の太さの選定
車のバッテリーシステムでは、スターターやライト、カーオーディオなど、さまざまな機器が接続されるため、それぞれの機器の消費電力や電流の大きさを考慮して、適切な太さの電線を選定することが重要です。
特に、大きな電流を流す機器や装置を接続する場合、適切な太さの電線を使用しないと、電線の過熱や火災の原因となる可能性があります。
12Vの車のバッテリーを使用する場合、接続する機器や装置の消費電力や電流の大きさに応じて、適切な太さの電線を選定することが非常に重要です。
安全な電気の使用のためにも、電線の太さや電力の関係を正しく理解し、適切な選定を行うことが必要です。
ケーブルと許容電流の対応表
サイズSQ (mm2) |
許容電流 (A) |
---|---|
1.25 | 19 |
2 | 27 |
3.5 | 37 |
5.5 | 49 |
8 | 61 |
14 | 88 |
22 | 115 |
38 | 162 |
60 | 225 |
上記の表から、1000Wの電気機器へつなげるときは、
1000W÷12V=83Aとなり、14sq以上の太さの電気ケーブルが必要となります。
sqはスケアと言います。
22sqケーブル用の丸形端子
ケーブルの太さに合わせているのと、接続するボルトの直径に合わせます。
8ミリか10ミリのボルトの場合が多いと思います。
「R22-8」と表記されていれば、22sqの太さのケーブルに8ミリの丸形の穴が付いている圧着端子ということになります。
メインバッテリーから走行充電器間のヒューズ
「Renogy DCC 走行充電器12V 50A」の説明書に推奨ユーズとして75A~100Aとなっていたので間をとって80Aを買おうと思いましたが、100Aを買いました。
80A ANLヒューズ付きANLヒューズホルダー 自動車 バイク 金色 1個入り
「Renogy DCC 走行充電器12V 50A」からサブバッテリーまでのケーブルとヒューズは、14Sqケーブルの赤と黒、60Aのヒューズが付属でついてきました。
14sqの丸形端子も4つ付属していました。
ソーラーパネル関係
ECO-WORTHY ソーラーパネル200W 18V= 100W 18V 単結晶 2枚
MC4用 延長 ケーブル 300CM 10AWG 6SQ ソーラーケーブル延長用 ソーラーパネル接続用 コネクター付延長線 両端加工 300CM*2本/組 太陽光コネクター 赤+黒
「Renogy DCC 走行充電器12V 50A」のソーラパネルからの入力が50.5Vを超えると過電圧保護機能が働いて停止してしまうのでソーラーパネルを設置する枚数によっては、並列でつなげる必要があります。
私の場合は、100W18Vのパネルを2枚設置するので直列にすると18×2=36Vとなり50.5V以内ですのでOKです。
これが3枚になると18×3=54で上限をオーバーします。この場合は、並列でつなげて18Vのままにすることになります。
並列の場合は、ソーラーパネル並列用コネクターなどが必要になります。
サブバッテリー
LiTime 12V200Ah Plusリン酸鉄リチウムイオンバッテリー 200AのBMS内蔵 最大2560Wの負荷電力 4000-15000サイクル
インバーター(直流を交流100Vへ変換する機械)
バッテリーからの直流電流を家庭用コンセントのような交流100Vに変換する機械です。
私の買ったものはこれです。今はもう販売していないようです。
MWXNE インバーター 正弦波 12v 100v 1700w 最大3400W DC12V(直流)をAC100V(交流)に変換 PD60W QC3.0急速充電 USB&Type-C 4ポート 50/60Hz切替可能 ワイヤレスリモコン付き
インバーターもたくさんの種類が販売されています。サブバッテリーの容量と利用してい電気機器の容量を考慮して、なるべく扱えるワット数の大きいものを買っておく方がいいと思います。
私の場合は、2000ワット級のものにすればよかったと後悔しています。
サブバッテリーとインバーター間のケーブル
1700Wで12Vレベルのケーブルでは38sqのケーブルとなります。
ケーブルに合わせた丸形端子
ケーブルの太さに合わせてるのと、接続するボルトの直径に合わせます。
8ミリか10ミリのボルトの場合が多いと思います。
「R38-8」と表記されていれば、38sqの太さのケーブルに8ミリの丸形の穴が付いている圧着端子ということになります。
こちらはR38-10です。
ヒューズを間に入れたりするので丸形端子は多めに必要です。
サブバッテリーとインバーター間のヒューズ
インバーター1700Wを12Vバッテリーからなので、1700÷12=141で少し多めの150Aのヒューズ、瞬間的に大電流を使うときに合わせて200A程度を選びました。
スタッド端子台
走行充電器、サブバッテリー、インバーター関係のマイナスケーブルを車体アースに持ってくるときの配線を一つにまとめる端子台があると、ケーブルがごちゃごちゃしなくて便利です。
私の場合は、サブバッテリーのマイナス端子で全部収まったので買いませんでした。
工具類
ケーブルカッター
太い電線ケーブルを切断することが多くなるので、専用の電線カッターを用意して方が効率的です。
車中泊のサブバッテリーシステムを組む時は、38sqまでのケーブルを切断するので、38sq以上のものを選びます。
圧着工具
太い電線ケーブルに丸形端子を圧着するときに使用します。
ペンチなどで代用するには、無理があります。
接触不良での電気事故を起こさないように、電線ケーブルの接続はしっかり行った方がいいでしょう。
圧着ペンチ、圧着電工ペンチ、かしめ工具などともいいます。
車中泊のサブバッテリーシステムでは38sqケーブルに圧着できるサイズを購入します。
その他絶縁テープ、絶縁キャップ
電線ケーブルをまとめる結束バンド(ロックタイ)
テスター
作業中に電流や電圧を図りながらに必要です。
万が一のために消化スプレー
まとめ
以上で「Renogy DCC 走行充電器」を中心とした配線作業の概要と必要な機器や道具、部品もリストなどまとめました。
思い出せないでぬけているものもあるかもしれません。
その時にページを更新したいと思います。
車中泊サブバッテリーシステム自作のご参考にどうぞ。
実際の作業工程も記事や動画で紹介できるようにいたします。